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ふるさとの賽銭箱に彫り込んだちっちゃな傷のいまだ残りぬ
こんもりと藁に積もつた雪踏みてそこは肥溜め 川は流るる 台風で錆びた銅線あらわれて海岸をゆく少年ひとり たこ糸をすいかのつるにくくりつけごろんごろんところがしてゐる まっすぐな木刀使つたチャンバラは はぜの木だった全員まけた #
by eplan123
| 2005-12-11 21:56
薄暗い六畳間にもくつきりと春の斜光が二センチずれる
風、光、翼 つばくろの真空斬りで低気圧来る 真四角に真昼の光を切り取つて水の流るる音を取り込む #
by eplan123
| 2005-12-11 21:54
昨年のつばめが戻って来たのだらうか古巣にそつとはたきをかける
「ありがたうございました」ランドセルかるつた子のゆく横断歩道 #
by eplan123
| 2005-12-11 21:53
窓のない机にぽつんと腰掛けて予見を揺さぶる靴音を待つ
ひんやりと床は地面に続きおり春待ちわびる君の十六 天国で待つていますの紙切れを百科事典の「み」行にはさむ 終電の父を迎えに無灯火で無人の駅のホームで待ちぬ #
by eplan123
| 2005-12-11 21:52
ふわふわとポプラの花の飛び交ひて陶器の街を泡立てている
うすべにを七重も八重もふふませて桃のはじけり 葉の萌えいづる #
by eplan123
| 2005-11-13 11:13
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